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お役立ちコラム
2023.10.09

放課後等デイサービス(放デイ)とは?利用方法や支援内容、対象年齢など【基礎知識】

発達に偏りがある子どもや障害がある子どもにとって、学校以外の活動場所はどこで確保すればよいのでしょうか。

サポートの必要な子どもが放課後や学校が休みの日に過ごせる場所の1つが、放課後等デイサービス(放デイ)です。

この記事では、放課後等デイサービス(放デイ)がどんな場所でありどうやって利用するのか、基本から丁寧にわかりやすく説明します。子どもの間にどれだけ豊かな経験ができるかどうかは、将来社会で生き抜く力の土台となり、大人になってからの生活にも影響を与えます。放課後等デイサービス(放デイ)は子どもにとって、支援を受けながら安心してさまざまな体験ができる場所です。

放課後等デイサービス(放デイ)とは?

放課後等デイサービス(放デイ)は、障害のある子どもや発達に偏りのある子どもが、放課後や学校が休みの日に通って適切な支援を受けるための施設です。個別に立てられた支援計画に沿って、自分に合った支援を受けられます。

放課後や夏休みや冬休みなどをどう過ごすかは、子どもの発達にとって重要なポイントですので大切に考えましょう。一日ずつが積み重なり、大きな経験値の差につながっていきます。

放課後等デイサービス(放デイ)では、子どもが楽しい活動を通して充実した時間を過ごし、将来に向けてその子らしい成長をしていけるようサポートします。

放課後等デイサービス(放デイ)が始まったのはいつ?

2012年4月に児童福祉法の改定があり、児童デイサービスから学齢期の子どもを対象に施行された制度です。国の事業として始まり、施設の運営は民間事業者が国のガイドラインに沿って行っています。

令和4年の厚生労働省のデータによると、事業所は1万9000カ所以上、利用する子どもは30万人以上で、施設も利用者も年々増加しています。年を追うごとに、放課後等デイサービス(放デイ)へのニーズが高まっていることが示されています。

参照:厚生労働省 障害者自立支援法等の一部を改正する法律案の概要
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/001023067.pdf

放課後等デイサービス(放デイ)の対象年齢は?

放課後等デイサービス(放デイ)の対象は、小学校に入学後から高校生までの子どもです。 就学中の6歳から18歳が対象年齢ですが、必要だと認められた場合は例外的に満20歳まで通所できます。

学校が終わってから放課後等デイサービス(放デイ)に通うため、学校から施設間の送迎を行う事業所も多くあります。小学校に入学前の子どもは、放課後等デイサービス(放デイ)ではなく、児童発達支援の対象ですのでご注意ください。

https://copain-sakura.com/wp/column/2145/

放課後等デイサービス(放デイ)の支援内容は?どんなことをするのか?

「放課後等デイサービスガイドライン(厚生労働省)では、4つの基本活動が記載されています。

  1. 自立支援と日常生活の充実のための活動
  2. 創作活動
  3. 地域交流の機会の提供
  4. 余暇の提供


以下では、放課後等デイサービス(放デイ)の具体的な活動内容を紹介します。

どんな活動を行っていてどう子どもにプラスになるのか、イメージをつかみましょう。 ただし施設によってプログラムの目的や内容は異なりますので、確実な情報は利用したい施設でご確認ください。

自立支援と日常生活の充実のための活動

放課後等デイサービス(放デイ)では、子どもが日常生活で必要なスキルを練習できるようにサポートを行います。生活を送る上で必要なスキルが身につくと、自立につながり、子どもの生活が楽しく充実したものになるためです。

子どもは楽しいからこそ自分でやってみたいと感じて、すぐにはうまくいかないことにも挑戦します。むやみにスキルの練習を強制しても、長期的な効果は望めません。

放課後等デイサービス(放デイ)では、障害や特性のある子どもが興味を持って自発的に取り組める活動を設定し、楽しみながら力をつけていけるよう支援します。

子ども自ら取り組んで成功すると、「できた!」と感じて確かな自信につながり、成長にとって重要な土台となる自己肯定感が育まれます。

以下に目的別の具体的な活動例を紹介します。

[目的] 生活に必要なスキルを身につける
[活動例]
・自分の服をたたんだり、持ち物を整理整頓したりする  
・鉛筆の正しい持ち方を身につける
・ハサミを使えるようになる
・うがい・手洗いなど清潔習慣を身につける
・買い物ごっこでお金の使い方を知る
・場面に合ったあいさつをする
・文字や数字の学習をする
・時計を読む
・クッキング体験
・おやつの皿を洗ったり、床を掃いたりなど家事の仕方を知る

[目的] 人との関わり方を学び、コミュニケーションの力をつける
[活動例]
・友達や職員との関わりの中で、人への興味が育ち自分から関わろうとする
・職員との関係で、家族以外でも安心できる人間関係を経験する
・小集団での活動を通して、ルールや順番を守れるようになる
・友達と一緒に活動し、遊びを共有する楽しさを味わう
・適切な方法で自己主張できるようになる
・友達と意見のぶつかりを経験し、折り合いをつける体験をする

[目的] 自主性を持ち、予定や時間を意識して行動できるようになる
[活動例]
・絵カードなど視覚的な支援を活用し、活動の見通しを持つ
・タイマーで時間を測って、集中して取り組む
・時計やタイマーで時間を確認し、自分で活動を終了し次の活動に移る

[目的]感情をコントロールできるようになり、情緒が安定する
[活動例]
・イライラした時に、好きな運動や安心できる職員との会話などで気分を落ち着かせる方法を身につける
・癇癪が起こった時に、クールダウンして気持ちを切り替えられるようになる
・怒って物を投げたり机をどんどんたたいたりなど、衝動的な行動を職員と振り返り客観的に見られるようになる
・職員と信頼関係が築かれ受け入れられている安心感を基盤として、感情を適切な言葉や行動で表現できるようになる

【創作活動

放課後等デイサービス(放デイ)では、子どもが楽しめるさまざまな創作的な遊びを行っています。創作遊びは子どもの気持ちを深くときほぐし、言葉で説明できない感情を表現する貴重な活動です。創作活動で自分が何を感じているかを知ると、子どもは自分の気持ちを尊重するようになります。

感性を豊かにする活動として、外に出かけて身近な自然に触れたり季節の変化を感じたりするのは、多くの放デイが取り入れている活動ではないでしょうか。戸外活動の効果は、子どもが自然と触れ合うことでリラックスし解放感を味わえる点です。

自分を表現したり、自然と触れたりすることで、子どもは気持ちをポジティブな方法で発散させ、情緒が安定します。

以下に創作活動の活動例を紹介します。

・ブロック遊びやプラモデル
・絵の具などで描画
・リズム遊びやダンス
・歌や楽器の演奏
・粘土遊び
・楽器づくりなど工作
・貼り絵
・手芸
・散歩
・ピクニック、遠足

地域交流の機会の提供

発達上の特性や障害がある子どもは、視覚や聴覚が過敏だったりいつもと違う環境で言動がコントロールできなかったりする場合があります。そのため出かけられる場所が限定されて、地域へ出ていく機会が減ってしまうかもしれません。

地域へ出かける機会が少ない環境は、子どもの成長にとって好ましくありません。自分の住む地域を知り、同じ場所で暮らす人々と交流するのは子どもにとって大切な経験です。放課後等デイサービス(放デイ)は、子どもが地域の人と交流できる機会をカリキュラムに組み込むことを目指している施設です。

施設の状況や方針によって活動は変わるので、実際はすべての放課後等デイサービス(放デイ)が地域交流を行っているわけではありませんが、子どもが地域の人と関わる経験ができる活動を実践している放課後等デイサービス(放デイ)がたくさんあります。

[活動例]
・地域探検
・公園散歩 
・美術館や動物園への遠足
・地域の行事に参加する
・地域の児童館や図書館へ出かける
・商店での買い物体験

【余暇の提供

放課後等デイサービス(放デイ)では、子どもが自分で好きな活動を選んで、ゆったり楽しむ時間を確保しています。とくに運動は子どもの発達に良い影響を大きく与えるので、取り入れている施設が多い活動です。

運動すると、体の使い方がうまくなる、気持ちが発散され情緒が安定する、リラックスするなど多くの効果があります。指先を使う遊びもよく行われており、手指を発達させるほか集中力を養うこともできます。

他にも季節の行事を催したり、友達や職員とゲームをしたり、人と一緒に活動する時間もメインの活動の1つです。バラエティに富んだ余暇活動を提供することで、放デイでの時間を充実させ子どもの成長へつなげています。

[活動例]
・トランポリン
・キッズヨガ 
・室内アスレチック 
・ボール遊び 
・フラフープ 
・バランスボール 
・絵本 
・かるた
・水遊び
・たこ上げ・こま回し 
・誕生日会 
・クリスマス会 
・お正月遊び・七夕・豆まき
・ジグソーパズル
・リリアン編み・編み物 
・折り紙 
・宝探しゲーム
・色分けゲーム 
・トランプ・カードゲーム

【支援内容】

放課後等デイサービス(放デイ)では、個人別の支援計画に基づいて活動内容を組み立てます。一人ひとりの支援目標を達成できるように、遊びを含めた楽しみに満ちた活動を設定します。自主性、生活上のスキルや知識、協調性、感情のコントロール力などその子どもに必要な力をつけられるように支援するのが、活動のねらいです。

施設によって力を入れている活動が異なり、活動内容はさまざまで一律ではありません。事業所によって活動の幅が広いので、子どもに合った支援が受けられる施設を選ぶのがポイントです。

放課後等デイサービス(放デイ)の利用料金は?

放課後等デイサービス(放デイ)の利用料金の詳細について説明します。実際に通うとなると、利用料がいくらなのかも必ずチェックする点です。仕組みを理解して疑問がないようにしておきましょう。

利用した日数で決定

利用料金は月ごとに計算され、その月に何回利用したかで利用料が決まります。

ただし上限の金額が設定されているので、何回利用しても上限金額以上にはなりません。 何カ所か施設を掛け持ちで利用した場合も仕組みは同じで、利用料が合算されますが上限金額内で請求されます。

一度も利用しなかった月は、利用料は発生しません。計算された利用料が月額の上限額より低い場合は、上限金額ではなく利用した分のみ払います。

上限の金額は3種類

放課後等デイサービス(放デイ)の利用料の上限月額は、世帯収入によって3区分に分かれています。どれだけ多く利用したとしても、この金額が最大の利用料金です。

参照:厚生労働省障害者福祉 障害児の利用者負担
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/service/hutan2.html

その他の費用

放課後等デイサービス(放デイ)では、月ごとの利用料以外に、おやつ代や教材代、イベント参加費などが発生する場合があります。上限金額が0円の家庭でも、この部分の費用は実費で支払う必要があるので注意しましょう。

放課後等デイサービス(放デイ)によって活動内容が異なるため、実費部分の費用も変わってきます。利用料以外の必要な費用については、入所時の説明時に確認しておくのがおすすめです。

放課後等デイサービス(放デイ)の利用方法は?流れや手続きを解説

放課後等デイサービス(放デイ)を利用したいと思ったら、どのような手続きが必要なのでしょうか。ここでは初めて放デイを利用する人にもわかりやすいように、シンプルな3ステップで手順を説明します。

初めて手続きをするときは難しく感じるかもしれませんが、流れをおさえておけば大丈夫ですので、安心して手順に沿って進めてください。

ステップ1 施設に問い合わせ・見学

放課後等デイサービス(放デイ)とはどんな場所なのか知るために、まずは施設の見学に行ってみましょう。実際に施設を訪れて、見て確かめるのが第一歩です。

見学の予約は電話や問い合わせフォームから簡単にできます。 可能ならお子さまも一緒に見学に行ってみると、利用した場合のイメージをつかみやすいでしょう。

放課後等デイサービス(放デイ)には、児童発達支援管理責任者(児発管)と呼ばれる管理者がいます。児発管はお子さまをサポートするための個別計画を立てて、活動を管理する役割の職員です。見学で自発管やその他の専門職員から、学校や家庭での様子や困り事を聞かれた場合は、何でも気軽に相談してみましょう。

子どもの発達について困っていることや気になる点を専門の場所で相談するだけでも、今後の見通しが持てて気が楽になります。見学では事業所の方針や活動内容を確かめ、子どもに合った施設を選びます。

ステップ2 受給者証を取得

利用したい施設と契約するために、通所受給者証(受給者証)を取得します。受給者証は市役所や区役所など市町村の窓口で申請します。受給者証がある利用者は利用金額の負担が軽減されて、上限金額までしか支払わなくて済む仕組みなので、受給者証は必須です。

受給者証を取得する際に、必要な書類をそろえます。主な書類は以下の通りですが、市町村によって違いがあるので、必ず先にお住まいの自治体の福祉窓口で確認してください。

  1. 支援の必要を証明する書類(医師の診断書や意見書、療育手帳など)
  2. 障害児支援利用計画 (相談支援事業所へ依頼したり、自分で作成する)
  3. その他の書類(マイナンバーや世帯収入がわかる書類など)

※場合によっては受給者証の発行まで1ヶ月程度時間がかかる場合があるので、放課後等デイサービス(放デイ)の利用を決めたら早めに申し込みましょう。

ステップ3 利用契約・通所開始

受給者証が取得できたら、放課後等デイサービス(放デイ)施設と利用契約を結び、通所をスタートします。

施設からの説明をよく聞き、契約する前に不明点や疑問は解消しておきましょう。児発管がお子さまの個別計画を作成するので内容を確認し、活動内容や目的について合意します。

新しい場所への通所はお子さまにとって、大きな出来事です。普段と違う言動がないかなど様子をよく見て、適切なフォローが必要です。気になる様子があったら放デイの職員と共有し、協力体制でお子さまを見守ります。

放課後等デイサービス(放デイ)は子どもが安心して力をつけられる場所

放課後等デイサービス(放デイ)について、具体的な活動内容や利用料金、申し込み手続きなどを基本から説明しました。放課後等デイサービス(放デイ)は、障害や発達に特性のあるお子さまと保護者をサポートするための専門施設です。

子どもは放課後等デイサービス(放デイ)で面白さや楽しさを存分に味わいながら、人への関心や活動への意欲を膨らませていきます。学校が終わったあとの放課後は、子どもの成長にとって貴重な時間です。その大切な時間を放課後等デイサービス(放デイ)で過ごすことで、子どもは安心できる密な関わりや興味を持てる活動を経験し、自分にとって必要なことを吸収できます。

お子さまの個性や特性に合った施設を見つけて、将来へ向けた健やかな成長のために放課後等デイサービス(放デイ)を活用しましょう。

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